2016.6.22
狙いたい蝶、行きたい所がいくつもあって、体が二つ、財布が四つ欲しい今日この頃です。 考えてみれば、なぜこんなに雨の多い時期に、多くの種類の蝶の発生が重なっているのでしょうか。 そんな蝶たちの代表、ゼフィルスの記事が続きますが、今回はミドリシジミです。
昨年見つけたこのポイントは、クーラーの効いた車内から開翅を撮れる極楽ポイント。
( 実際にそんな撮り方はしませんが。笑 )
ようやくグリーンの輝きをまともに撮れました。
近場で見られるものの、なかなかレベルアップできなかった蝶のひとつです。
そして翌週、今度は♀狙いで再訪です。 昨年撮ったB型以外の♀を狙います。
O型の♀に続いて撮影できたA型の♀。 この後、AB型が撮れれば最高だったのですが、そうはうまくいきませんでした。
2016.7.4
先日、近所で電線工事?が行われていました。
考えてみれば、道沿いのゼフのテリポイントは割とあると思うので、この作業車、けっこう使えるに違いありません。
しばらく見ていると、カゴに乗った作業員が自ら昇降の操縦をしていたので、ピンで活動している私でもカゴに乗ったまま撮影ポジションを調節できそうです。
これならテリトリーを張る♂のカッコいい姿を上から撮れるでしょう。
しかし帰って調べてみると、レンタルでも高くつくうえ、運転・操縦には免許と資格が要るようです。(そら、そうやろな・・)
さて、現実味のない妄想はさておき、地に足をつけて撮ってきた蝶の写真を載せます。
なにも高い所まで昇っていかなくても、こんな所でテリトリーを張ってくれるゼフもいます。 各種ゼフがこうやって地面でテリトリーを張れば撮影は楽なのですが、やっぱり色気のない写真ばかりになりますね。
2016.8.10
先日、岡山でミヤマチャバネの探索中、採集者を目にしたので、ゴマシジミを狙っておられるのかな?
と何気なく考えていたところ、ふと頭の隅っこに引っかかっていた懸案を思い出しました。
それは、”山ゴマ” と言われるゴマシジミをまだ見たことが無いことです。
そこで、図鑑では低地の黒い♀と変わらないように見える ”山ゴマ”が、実際にどんな蝶なのか見に行ってみることにしました。
とりあえず見たいということなので場所は問いません。
できるだけ体力的な負担が少なく、撮れる可能性の高そうな所をネット上から推測して訪れることにします。
そして訪れた現地は、とても見晴らしが良く、心地よい風が吹いている草原(実際には急斜面)で、カライトソウの花が所々に揺れています。
まず、そこに立った時点で、 ”山ゴマ”の魅力が少し分かるような気がしました。
居るなら目に入るはず・・・と暫く辺りを眺めていると、飛んでいました!
他には何も飛んでおらず、見失うほど小さくもないので、目で追いかけられます。
しかし、足では追いかけられません。
足場が悪く、一歩ずつ進むのがやっとです。
そうこうするうち、目で追っていた個体がカメラの射程距離に止まってくれました。
開翅を撮ると、何とも言えない色合いをしています。
茶色のような紫のような黒? 光と角度に任せますというダーク色。
何頭か撮影できた後、そろそろ引き上げようかと思いながら周辺の山々を眺めていると、
”あっちの山にも同じような斜面があるなぁ・・ あの山の谷筋にも・・ きっと居るやろなぁ・・”
と想像が膨らんできます。
そして、居たとしても環境的に撮るのが難しいというのが、逆にこの蝶の魅力の一つのような気もします。
普通に考えれば、標本や生態写真を見ただけなら、ブルーが広がったゴマの方が美しく魅力的に見えるでしょう。
この”山ゴマ”の魅力は、実際に生息地に足を運んでこそ分かるものなのかもしれません。
2016.9.11
「 なぜ今 ??」 なのですが、シルビアシジミを本HPでも二種類に分けようかと考えています。 以前、ヒメシルビアシジミが別種に分かれるような話を聞いたことはありましたが、そのまま放置していました。 そして現在では別種扱いが普通になっているようで、これに異論があるわけではなく、世間に合わせようというわけです。
さて今回、久々に様子を見に行ったのは、昔から訪れている有名なシルビア生息地。 ヒメシルビアを別種に分けると、シルビアのポイントはここしか知らず、自分にとってシルビアは ”飛行機の轟音の中を飛ぶ蝶” になります。
ある程度、天気が良くないと飛ばないと思いますが、良すぎると飛び続けて開翅も狙いにくくなります。 この日、現地を訪れたのは午前の短時間でしたが、上空はウロコ雲で晴れたり曇ったりの好条件。 蝶もそれに合わせて時々静止して開翅シーンを見せてくれました。
それにしても、都会にある空港が絶滅危惧種を育んでいるとは複雑な話ですね。 京都では絶滅危惧種アユモドキ(魚)の生息に影響を与えるとして、サッカースタジアムの建設が問題になっています。 危急度の違いはあれど、逆にここでは絶滅危惧種の蝶に影響を与えるとして、空港廃止論に反対すべきところでしょうか !?
2016.10.27
今回のネタは近所のキタキチョウです。
本種は静止時に翅を開いてくれないので、翅表を撮るには飛んでいる瞬間を狙うことになります。
フィルムカメラの頃は、もちろん飛翔を撮ろうなんて無謀なことをしませんでしたが、今でも飛翔シーンを撮るのは気が進まないのが正直なところです。
そこで、ちょっと試してみました。
一応、翅表がちゃんと撮れていますね。
これは動画を切り出したものです。
写真に比べると画質は劣るものの、記録として残すには十分な出来映えでしょう。
以前、パスト連写機能の付いたカメラが出た時、”なんかズルい(笑)”
と感じましたが、「記録を残すため 」
という目的で撮影するのなら、それを使うのも一つの方法かなと考え、”だったら動画を切り出せばいいやん” と思い、デジカメで試してみたわけです。
動画撮影は、シャッターを切らなくても連写し続けているのと同じなので効率的です。
なんだか、何でもありみたいになってきましたが、昨年から今年にかけて♂♀を揃えようと頑張っていたので、 ”次は、表裏かな・・ ” と考えていたところ、横着するための悪知恵が働いてしまいました。(笑)
私の場合、飛翔を撮るのは翅表(裏)を撮るのが目的なので、今後は画質を優先して写真か、効率を優先して動画かを選択することになると思います。
それに合わせてこれからは、飛翔シーンの掲載に動画の切り出し画像を使うことがあるかもしれません。
しかしその際には、シャッターで捉えた飛翔写真の裏にある苦労と感動が薄れてしまわないよう、動画切り出し画像の下には”動画切り出し” のデータを添えようと思います。
そういえば、今までから ”トリミング ” はデータ表示していません。 ほとんどトリミングした画像です。(爆)
2016.11.20
八重山へ行ってきました。
おそらく、これが今年最後の遠征になるでしょう。
今回は未撮影の迷蝶が撮れそうになかったので、今年のテーマに従って♀の未撮影種を中心に狙うつもりでしたが・・
”♀を探せ!”の予定は到着後30分ほどで、あっけなく狂ってしまいました。(笑
島へ到着後、早々にマルバネルリマダラを目にしてしまったのが誤算?でした。 頭上でマルバネが滑空しながら訪花しているのに、その下でキチョウの♀を探そうとしても、頭上が気になって仕方がありません。 そうこうするうち、シロオビ型のヤエムラが目に入りました。 出会う機会が少ないタイプです。
♀未撮影種の一つ。 今回の遠征で見られた唯一の個体は残念ながら♂でした。 端境期だったためか、自分の知っているポイントのうち4か所で探しましたが他には見られず、♀初撮影はお預けです。
遠征最終日も本種を目撃。 狭い範囲を4〜5頭が飛び交っていたので、おそらく付近で発生したのでしょう。
今回は、マルバネに始まりマルバネに終わるといった遠征でした。
おそらくフィールド活動した2日半で二桁のマルバネ(台湾亜種)を目にしたと思われます。
一方、当初から狙っていた♀の未撮影種は2種の撮影のみにとどまり、決して成果の多い遠征だったとは言えません。
ただ成果云々は別として、遠征が楽しいのだけは確かです。
また来年の遠征に向けて節約生活に入ることにしましょう。
2016.12.10
今年もあと少しとなりました。
そこで、簡単に今シーズンの結果を振り返ってみたいと思います。
まず、一番の目標だった新規撮影種の追加ですが、これは叶いませんでした。 まぁ、年3回、実質8日間の八重山遠征だけでは難しいですね。 空振りが続きますが、既撮影種の写真を充実させながらチャンスを待つことにしましょう。
その既撮影種の充実の方ですが、今年は 「♀を探せ!」 をテーマに頑張りました。
成果としては、
♀の新規撮影種・・・29種 (迷蝶を除いて残りは33種)
♂の新規撮影種・・・16種 (迷蝶を除いて残りは27種)
でした。
撮り直したい種類もありますが、考えていた目標はほぼクリアできたと思います。
そして、今年の成果を考える上で、今夏に購入した顕微鏡の効果を忘れてはなりません。
昨年、ルーペと望遠レンズを使って四苦八苦したのがウソのようです。
しかし、顕微鏡で♂♀判別するには、撮影個体を捕獲しなければなりません。
以下は、もし撮影後に捕獲できていれば、♂♀どちらであれ新規撮影につながっていた2種の写真です。
2カット撮影した後、ネットに持ち替えようとした途端に遠くへ飛び去ってしまいました。
こちらはボロですが前翅の白条が消えかかっている個体。 もう少しいい角度で・・とカメラを持って粘っていると、別の蝶がちょっかいをかけてきて、奥へと飛んでしまいました。
タテハ類、セセリ類は特に撮影後の捕獲が難しいです。
私もますますドン臭くなっているような気がするし・・
この冬、学生時代の部活のようにネットの素振りでも始めようかな。
いや、間違いなく変人に見られるか。(笑)
2016.12.30
さて、振り返ればこの冬でHP開設から13年が経ちます。
その間、新規種が増えたり、レベルアップした写真に入れ替えたりと更新を楽しんできましたが、開設当初から放置していた事が一つありました。
それは学名の更新です。
確か最初に作成した時に引用したのは、蝶研サロンの付録だった蝶研ダイアリー?の蝶の一覧表でした。
そこで今回、新しい図鑑( と言っても2006年発行ですが )に合わせることにして、12種類の学名を変更しました。
話は変わりますが、今、『学名』・『蝶研サロン』というワードを打ったところで、思い出したことがありました。 それは、2005年11月9日、西表島での出来事です。
当時、未撮影のリュウキュウウラボシを狙いに、朝一から西表島の林道を訪れていました。
そして残念ながらウラボシは見つからず、林道入口に止めたレンタカーへ戻ってきた時のことです。
別のレンタカーが通りかかり、中のオジサンが話しかけてきました。
「蝶の撮影だったらマルバネがいるポイントとか知ってるし、一緒に回りませんか?」
ちょうどターゲットを空振りしたばかりで、次はどうしようかと思っていたところ。
同じ蝶屋で怪しい人でもなさそうなので、まぁいいかと思い、「いいですよ」 と答えました。
そしてこの日、そのオジサンと行動を共にすることになります。
オジサンは2人連れで、「そっちの車の方が良く走りそうやし、そっちの車で行こか」と言って私のレンタカーに乗ってきました。
私は運転手になり3人で出発です。
車中、オジサンが話しかけてきました。「兄ちゃん、蝶研サロンって知ってるか?」
「えぇ、知ってますよ」 と答えると、「あれによく出てくる大阪の〇〇氏っていうのはワシの事や〜!」 云々。
” あぁ、この人か〜” 何となく苦手なタイプの方だと察しましたが、もう仕方ありません。
とりあえず、氏の指定する各地へ運転し、各ポイントへ同行することになりました。
そして、行く先々で氏はホントかウソか分からないような話を繰り出してきます。
「ここの林道で営林署の職員が密猟しているのを見かけたから、口止めに林道ゲートの解錠方法を聞き出した」 とか、
「某民宿は、連泊していても夜に密航船が到着する日は追いだされる」 とか、他にもここに載せ難い話を数々。
しかし、蝶に関する知識は私なんかよりも多く持っておられる方のようでした。
そんな氏が私に放った言葉の中で特に印象に残っているのが、
「これからずっと蝶をやっていくんやったら、学名も覚えといた方がいい。
特に海外行ったら通用せぇへんからな。」
というものでした。
結局この日は、マルバネはおろか他の成果もほとんど無いまま終了です。
別れ際に氏に、「明日は一緒に船浮へ行かへんか? あそこはマルバネいっぱい居ると思うから。」
と誘われましたが、「 いや、明日はリュウボシ探したいので・・」 とお断りしました。
すると氏はもう一人の方に、「明日はリュウボシのポイントへ彼を連れてやって。ワシは一人でマルバネ狙いに行くから。」
と言われ、これには恐縮しましたが、そのおかげで翌日、初のリュウボシの撮影に成功。
思えば、氏に一日振り回された感が残ったものの、昼食をご馳走になったり、面倒見のいい方だったとも感じました。
その〇〇氏ですが、本年亡くなったという記事を某SNSで目にしました。
ホントかウソか分かりませんが、もし本当ならば、ご冥福をお祈りいたします。