2018年の春、モンキチョウの飛翔を撮影している時に、少し変わった斑紋の個体を見つけました。
そしてそれをきっかけに本種の変異の面白さに気付き、以降、撮影チェックして個性的な個体を採集しています。
そこで、それらの中から特徴的なものを中心に、過去に撮った生態写真も含めてここで紹介します。
ただ、チェックしているのは翅の表面に限っているため、変異としては物足りないかもしれません。
また、今後モンキのチェックを継続していけば、おそらく内容もコメントも変化していくだろうと思います。
毎年、シーズンオフにはこの「モンキチョウの変異」のページが更新できるように、さらにモンキチェックを続けていきたいと思っています。
2020年1月
まず、モンキチョウの基本的な変異として、2通りの色彩があります。
♂は黄色のみ、♀は黄色・白色の2型があります。
もしかすると、ごく稀に白化異常の白い♂がいるかもしれませんが、一生かかっても出会えるかわかりません。
見つけたいですが、夢のような話ですね。
ところで、上の3個体は一番最初に載せる個体として、所持している標本の中からできるだけ標準的な斑紋の個体を並べたつもりです。
この「モンキチョウの変異」の各ページでは様々な個性を持った個体を紹介しますが、そのつど載せるべき比較用の標準的な個体画像は、これに変えて割愛させていただきます。
大きさの違いは生態写真で比較するのが難しい変異ですが、標本で比べてみると違いがよく分かります。 一般的に、発生する季節による変異として、春型は夏型に比べてやや小型となるようです。
上の写真はこれまでチェック&採集した中で最も大きい個体と最も小さい個体です。
前翅長(前翅の付け根から先端までの長さ)は、左の個体が約33ミリ、右の個体が約18ミリ。
左は夏型の中でもやや大きめの個体という程度の印象ですが、右の個体は、春型の平均的な大きさよりもかなり小さく見える個体です。
翅の形は♀の方が丸みがあると言われることもありますが、違いは微妙で例外もあるようです。
また、翅全体が縦長に見える個体や、横長に見える個体があります。
特に計測はしていませんが、翅形の印象が異なるものを4個体だけ載せてみます。
この2個体だけを見ると、♀の方が丸みがあるというのも頷けますね。
左の♂は逆三角形のシャープな印象、右の♀は四角く丸みを帯びた印象を受けます。
続いて、縦長に見える個体と横長に見える個体です。
あくまで標準的な個体と比べての印象なので、左の個体は実際に縦幅の方が長いということはありません。 右の個体も、標準的な個体に比べて少し平べったいかなという程度の印象です。 しかし、あえて特徴的な個体をピックアップして並べると違いがよく分かります。
最初に紹介したように、モンキチョウには黄色と白色の2型がありますが、すべての個体が均一な黄色や白色をしているわけではありません。
この2色を基本に、それぞれの個体が持つ色彩には個性の幅があります。
これまで私がチェック&採集した個体のうち、♂は比較的同じような黄色をしていたため、色合いの異なる♀を下に並べてみました。
左上は♂や黄色型♀では普通に見られる色合い。
右上はオレンジ色がかったもの。
中央は黄色型と白色型の中間のように見えますが、どちらかといえば白色型でしょう。
下の2個体はとくに後翅において、明暗の違いがよく現れているものです。
ちなみに、撮影時の条件を揃えるため、全個体を一枚の写真に収めています。