気まぐれアルバム


  2024.8.5

 前回の記事に続き、少し遠出してきました。 ターゲットはアサマシジミの高地亜種です。 本種は人気のある蝶で地域別に集める方もおられますが、私はとりあえず3亜種がそれぞれ撮れればいいという程度。 昨年は北海道亜種が撮れたため、過去に♂1頭しか見たことのない高地亜種ももう少し撮っておこうというわけです。

 過去に一頭だけ見つけた上高地で再び探索するのは効率が悪いので、今回選んだのは確実に見られそうな雨飾山。 夜通し運転が不安でしたが、途中で仮眠を一時間程とって乗り切り、登山も体力的には大丈夫でした。

 それでも花を撮ったりしながら登山口から山頂までは3時間近くかかり、登り応えは十分。 途中で写真のような看板を時々見つけ、「なんで11に分けるんやろ?」と思いましたが、この写真を撮った時にメートルが標高ではないことに気付きました。 さすがに高すぎる(笑。
道のりが4400メートルあって400メートル毎に設置してあるようです。


アサマシジミ(♂) 2024.7.29 新潟県糸魚川市

 さて、蝶の方ですが、天気が良すぎて♂はなかなか止まらず、またほとんどがスレ欠け個体で、翅のキレイなものはわずかでした。 写真の個体はわりと新鮮に見えるものの、翅の色合いは淡いですね。 青みが強い方が見映えはしますが、地域変異だけでなく個体変異もあって、これはこれで本種らしい個性の一つとも言えます。


アサマシジミ(♀) 2024.7.29 新潟県糸魚川市

 葉上に止まった♀。 ♀も新鮮なものは半数足らず。 訪れた時期が少し遅かった模様。


アサマシジミ(♀) 2024.7.29 新潟県糸魚川市

 食草イワオウギで吸蜜中の♀。


アサマシジミ(♂) 2024.7.29 新潟県糸魚川市

 一瞬、逆光で翅裏が透けたのかなと思いましたが、これは後翅に橙色が現れている個体のようです。


ベニヒカゲ(♂) 2024.7.29 新潟県糸魚川市

 アサマが止まるのを待っていると、ベニヒカゲが私にまとわりついてきました。 その他にも吸蜜中のエルタテハなどを撮影。 ちなみにヒメシジミは見なかったので、惑わされることはありませんでした。


アサマシジミ(♂) 2024.7.29 長野県北安曇郡

 せっかく見晴らしがいいので、下山する前に白馬連峰をバックにアサマを撮っておこうとしたら、やっぱり稜線には雲がかかりました。 稜線に嫌われる男です。 また、一番左のクガイソウに止まってくれたら撮りやすかったけれど、そう上手くはいかないもんです。
 結局、もう来ることはないだろうと、陰のない山頂周辺で4時間余りも撮影していました。


クロツバメシジミ(♂) 2024.7.29 長野県北安曇郡

 下山は2時間近くかかりましたが、まだ時間も体力も残っていたので、以前クロツを撮ったことのある河原へ。 発生時期に合っていたようで何頭か飛んでおりました。


クロツバメシジミ(♂) 2024.7.29 長野県北安曇郡

 ♂はなかなか止まらず、止まっても枯枝とか地面とかイマイチな場所ばかり。 普通に葉上に止まるシーンの少ない蝶ですね。

 いよいよ8月に入り、ターゲットも少なくなってきました。 今年も多くのターゲットを残したまま、蝶のシーズンがアッという間に過ぎていきます。 ベストの時期にベストの天候でターゲットを撮るチャンスに恵まれる、というのはなかなか難しいと感じる今日この頃です。


  2024.8.18

 8月のターゲットはひとまずルーミスシジミ。 そこで今回は、山口や徳島まで足を運ぶのはチョットなぁ・・ということで学生時代に初めて採集できた和歌山の渓谷へ向かうことにしました。 ここは夏に撮影したことがありますが、撮りづらかった印象があって近年は訪れていませんでした。 しかし和歌山なら明るくなり始めてから出発できるうえ、費用を抑えられるので助かるのです。

 ルーミス探索中に見つけたナツエビネの花。 正面から見ると、花の妖精がうつむいているみたい。


ルーミスシジミ(♂) 2024.8.12 和歌山県田辺市

 さて、ルーミスですが、昔撮った沢沿いの斜面では見られなかったので、別の場所を探索していると、意外と撮りやすい場所で何頭か見られました。 ただ、これならわざわざ山口まで遠出しなくて良かったと思っていたら、性別確認できた5頭はすべて♂。
 3年かけて14連続♂ってどういうこと?


キリシマミドリシジミ(♀) 2024.8.12 和歌山県田辺市

 途中で出てきたのは、昨年のヒサマツ♀に続いてなぜかキリシマ♀。 まぁ撮るけど・・

 ルーミス♀はまた日を改めて挑戦するしかありません。 とりあえず♀の翅裏をちゃんと撮っておきたいのです。 ♂と斑紋は変わりませんが(笑。
 というわけで3日後に再訪です。


ルーミスシジミ(♀) 2024.8.15 和歌山県田辺市

 この日は条件が良かったようで多くの個体が見られ、撮影2頭目が♀でした。 以降、さらに2♀を追加。 ♂と同じように低い位置へ避暑に降りており、近年♂しか撮れなかったのは♀運が悪かっただけのようです。


ルーミスシジミ 2024.8.15 和歌山県田辺市

 暗い場所を飛ぶ小さい蝶なので、飛んでいるところを見ても翅表のブルーはあまり目立ちません。 個体差があるので確定できないものの、後翅のブルーが小さいのでこれは♂っぽいですね。

 ちなみに本種は前脚の先端を見れば♂♀判別できますが、念のため現地で♀の前脚と交尾器を検鏡しました。 すると交尾器の一部が♂のように硬化しており紛らわしく、「脚は♀やのに交尾器は♂??」としばし混乱。 帰ってから図鑑を読んで納得しました。


過去の気まぐれシリーズへ

トップページへ