2023.5.11
3日目の朝も昨日と同じく、フェリーの汽笛で5:50起床。 朝食は昨日とプレートの内容は変わりましたが、同じような感じ。 今日は午後のヘリで八丈島へ向かうので、昼過ぎまで活動できます。 とりあえず狙うのは、クロヒカゲとカラスアゲハくらいで、西回り林道の途中まで進んで引き返すつもりです。
今日は集落辺りは晴れていますが、山の方は曇っています。 林道を進んでも昨日ほどクロヒカゲは目に入らず、テリを張る♂も見当たりません。 暗がりを飛ぶ個体をわずかに見るだけなので、集落に近い林道をウロウロすることにします。
やや明るいところへ出てきて吸水を始めた個体。
この日まともに撮れたクロヒカゲはこれくらい。
しかし、カラスアゲハの姿が見られたので、近くに咲いていたツツジの所を時々チェックしていると、思ったとおり訪花してくれました。
昨日の青い個体とは違い、前翅が緑がかった♂です。
ただ、飛んできても必ず吸蜜するわけではなく、♀が訪花していないかパトロールしている様子。 そして残念ながら♀は見られないままタイムアップ。 他に見られた蝶はアカタテハのみで、集落へと引き返すことになりました。
宿に置かせてもらっていたリュックを取りに戻り、カメラを片付け、ヘリポートへ。
集落を歩いていると、道路脇の石垣に沿って何やら虫が這っています。
「ん?ゲンジ?(クワガタの事)」
この島にはミクラミヤマクワガタというクワガタムシがいる事は一応知っていました。
「小さいけど、これがそうやろか?」
ヤフー検索してみると間違いないようで、これは撮っておこうとカメラを取り出します。
撮っていると気配を感じたのか、飛び立とうと翅を広げたものの上手く飛べない様子。
そのまま道路脇を這っていきましたが、車に轢かれないか心配でした。
「そういえば、この島の子供らは虫採りできないんかなぁ?」
幼少期に虫採りが好きだった私からすれば、ちょっと可哀想な気がしました。
八丈島行きヘリの搭乗手続きでは、今回も前もってリュック内のズボンを二重履きしてから荷物計測し、5kg以内でセーフ。 超過料なし。 そしてほぼ満席で飛び立ちます。
八丈島空港へ到着後は、予約していたレンタカーで正味一時間半ほど、明日のカラスアゲハ狙いに良さそうな場所を探索。 海に近い道路を走っていると、カラスアゲハが道路沿いに飛んでいる場所があり、そこでしばらく様子を見ます。 すると、3,4頭のカラスアゲハやアオスジアゲハが飛来したので、翌日は主にここでやろうと決めました。
八丈島での宿泊は「船見荘」。 建物は古めかしいですが、夕食はなかなか良い感じ。
帰りの空港で島寿司を食べようかなと思っていましたが、ここで出てきました。 見た目は大東諸島の大東寿司に似ています。 たしか大東寿司を食べた時はサワラ、ここの島寿司は色んな魚で握られるようですが、今回はメダイ。 刺身は好物の2種で、わさびの他に青トウの欠片が添えてあるのは初めて見ました。 分かってはいますが沁みる辛さ。 焼酎は黒潮を一合、湯割りで頂きました。
茶碗蒸しの器を上げると、受け皿には八丈為朝凧の絵柄。 保元の乱に敗れて大島に流された後、伊豆諸島で勢力を広げた源為朝が凧に描かれているものです。
食後は部屋に戻ってのんびり。 遠征先ではビジネスホテルに素泊まりすることも多いですが、何より畳の上でゴロっとできるのは落ち着きます。
2023.5.12
昨日までと違って汽笛が鳴っていないのに、6時前に覚醒。
窓の外では雨の音がしています。
「あぁ、しばらく止みそうにないな・・」
ゆっくりと朝食へ向かいます。
今回の遠征記では何だか食事の写真ばかりになりますが、朝食も一枚。
さて、蝶を撮りに行かねばなりません。
雨がなかなか降り止まないので、とりあえず9:00開店のスーパーに寄って昼のパンを買っておきます。
広告の品のクリームパン。
そして昨日に下見しておいた場所へ向かいます。
付近を車でウロウロし、やがて雨が止んで明るくなり始めたのが正午頃。
ようやく一頭目のカラスアゲハが姿を見せました。
しかしこの個体は左の翅がカケています。
その後も別個体が現れますが、どれも翅のどこかが傷んでいて、新鮮個体を狙うには少し時期が遅い感じ。
それでも地元のカラスアゲハとは別亜種で、なかなか撮れるものではなく、シャッターを切っておきます。
翅の色合いには個体差があり、青みの強いもの、前翅がやや緑がかったもの、前翅に帯状に淡い黄色がかったものが見られました。
そして♀も少ないながら登場。
この♀は右の翅が傷んでおり、傷みが分かりにくい角度で写ったもの。
それにしてもミヤマカラスに引けを取らない美しさです。
♂♀ともに、このスイカズラを好んで訪れておりました。
別の♀も一枚。
カラスアゲハを待っている間には、アオスジアゲハも時々吸蜜に訪れます。 何頭か連写していると、中に過剰紋を持ったものが混ざっていました。
少し距離があったのが残念ですが、初めて撮るエサキ型というタイプです。
この日、他に撮った蝶は、モンシロチョウ、キタキチョウ、イチモンジセセリ、アカタテハ。
島の雰囲気から南西諸島と比較してしまうためか、やはり種類は多くないという印象でした。
さて、レンタカーの返却時間が近づき、15時半に撮影終了。 帰りはANA便で八丈島から羽田、そして伊丹へと乗り継ぎ、バスで京都へ。 今年初めてのフライト遠征は計画通りに終了です。 天候が心配でしたが、そこそこ活動できたのは幸運でした。 おそらく、御蔵島、八丈島を訪れることはもうないでしょう。
ひとつ心残りは、”あしたば”の写真を撮り忘れたこと。 まぁいいか。
<終わり>
※ 御蔵島では許可なく動植物を採取することは禁止されています