4月も後半になって、ようやく今年の気まぐれシリーズのスタートとなりました。
この間、とくに病気で寝込んでいたわけではなく、残念ながら彼女ができたわけでもないのですが・・・
ちょっとした変化があって、昨シーズンまでとは違った状況になりそうで、ひとまず様子をみていました。
そして、「気まぐれアルバム」が少しマンネリ気味になっていることもあり、今年は遠征記事に絞って掲載することにしました。
シーズンを通してどれだけ遠征に出向き、どれだけ記事を載せられるか分かりませんが、その辺も気まぐれにやっていきます。
2023.4.2
3月は日程調整できる状況ではなく、あっと言う間に4月。
もし迷シジミの飛来状況が良ければ八重山へ飛ぶつもりでしたが、今春は良い情報を聞きません。
そこで狙うはスギタニルリシジミ九州亜種。
亜種区分のある蝶の中でも、一度は見ておきたい亜種のひとつです。
そこで、季節進行が速い今春、4月に入ってからでも新鮮個体が見られそうな多産地として、佐賀・長崎方面を訪れることにしました。
昨秋のクロツリベンジでは福岡まで軽自動車で走りましたが、意外と大丈夫だったので今回も軽で向かうことにし、再び簡易ベッドをセットします。
リクライニングでの仮眠は、腰がアカンのです。
助手席側、前後シートを倒しても完全にフラットにならないので、姿見の骨組みを渡し、その上に板と寝具を重ねて完成。 前回の福岡行きの準備の際、敷いた姿見の上から前後シートの隙間を踏み抜いてしまい、鏡がこっぱみじんになってしまいましたが、残った骨組みに板を加えて保持できています。
さて、いよいよ今年の一発目。
風呂と夕食を済ませ、19:00に出発。
京滋バイパス→名神→新名神→山陽道→中国道→九州道→長崎道と乗り継ぐ予定です。
2023.4.3
途中のSAで仮眠をとりながら、目的地の山麓に到着したのが朝8:30。 普段は放置状態のスマホですが、高速を下りてからはヤフーカーナビが役立ちました。 あとはスギルリの記録がある地名が分かっていれば、生息している環境は見当がつきます。
天気は快晴。 渓谷沿いを歩いていると、早速、陽の当たる路傍を飛んでいる姿が目に入りました。 最初は慎重に静止シーンを撮影。 それから飛び立つところや吸蜜シーンを狙います。 確かに地元のスギルリと違い、九州亜種はずいぶん白い翅裏をしていて、普通のルリシジミと区別しにくいというのが分かります。 この個体は黒斑もそれほど発達しておらず、私も翅裏を見ただけでは半信半疑です。 しかし翅表を見れば、色合いと後翅の縁に違いがあるのが分かります。
別個体ですが色合いは地元のスギルリとルリの中間という感じ。 ルリシジミはもう少し水色っぽい印象があります。 後翅黒縁は、ルリシジミは細くクッキリした線ですが、スギルリは太ければもちろん、細くても内側に沿うように細い黒斑が出たり、線がぼやける個体が見られました。
結局、この辺りで飛び交っていた数頭の翅裏・翅表を撮ってみると、すべてスギルリでした。 しかし図鑑にある特徴、翅裏肛角近くの2黒斑が「く」の字状になるものはおらず、また比較できる当地のルリシジミが見られないと不安になります。 そこで別の場所に移動することにしました。
同じ山塊の長崎県側へ走り、渓谷沿いを上流へと向かいます。 そしていい感じの河原を見つけると、そこでは多数の個体が吸水し、また上流から次々と♂が飛来していました。 しかし、前述の「く」の字の個体はわずかで、また新鮮個体はあまり見られず。 とにかく翅裏の斑紋でルリシジミと区別できない個体がたくさん吸水していたので、「どっちやねん?」と3頭だけ指でつまんでみると、翅表はすべてスギルリでした。 おそらくそのほとんどがスギルリだったのでしょう。
そうこうするうち、ようやく♀が飛来し吸水を始めました。
♀の撮影はワンチャンスかもしれないので、順光側へ回り込む余裕はありません。 やはりこの♀はすぐに飛び立ち、別の場所で吸水、そして飛翔。 一分も経たないうちに飛び去ってしまいました。
おそらくこの周辺では100頭以上の♂を見たと思いますが、♀の撮影チャンスはこの一頭のみ。
いくら待っても♂が上流から飛んでくるばかりなので、やがて飽きてしまい14時過ぎに撤収です。
念のため、キャンセル無料のビジネスホテルを予約していましたが、帰路につくことにしました。
昨秋のクロツリベンジでは福岡から一般道のみで20時間かけて帰ってきましたが、さすがに疲れたので、今回は費用を惜しまず高速を利用。
途中、福岡県内の古賀SAで博多とんこつラーメンを食べ、再びSAで仮眠をとりながら山陽道をのんびり走り、自宅に着いたのは翌朝10:30。
後から思うに、この日は出発前の予報よりも好天だったので、山口のルーミスや広島のギフを覗いて帰るのもアリでした。
ともあれ、この遠征での走行距離は1547km。
無事に帰って来れて何よりでした。