近所の堤防のモンキチョウもスレ個体が増え、春型の発生ピークが過ぎると変異チェックも一段落です。
遠方のギフチョウを撮りに行くつもりもなかったので、この時期のターゲットを考えていたところ、浮かんだのがシルビアシジミ。
南西諸島のものを別種に分けたため、シルビアを撮ったのはまだ2か所のみです。
そこで、「もう少し撮っておきたいし、新しい場所で撮ってみたい・・」
と思いネット検索していると、白化型という変わった個体の画像が目に入りました。
さらに調べてみると、どうもこれは稀な異常個体ではなく、徳島の吉野川流域ではそういう個体がわずかながら出現するとの事。
「徳島にはこんなん居るんや、どうせ行くんやったらこれ狙わなアカンやろ」ということで行先が決定です。
2023.4.20
朝3時起床。 着替えて出発。 一般道で須磨ICまで走り、明石海峡大橋を渡って淡路島通過、鳴門ICからは再び一般道を走り、目的地の堤防へ着いたのは8時前でした。 ここは過去にシルビアの記録がある地名を調べ、グーグル地図を見て探索しようと考えておいた3市5か所のうちの一つです。 堤防にはシルビアの食草ミヤコグサが点々と咲いていて良い雰囲気。 歩き出すと、すぐに飛んでいる姿が目に入りました。
この日は早朝に霧が出ていて、まだ活動を始めたばかりだったのか、飛んでもすぐに止まって開翅してくれます。 これまでは開翅シーンを撮るのに苦労していましたが、天候と時間帯の条件によっては、いくらでも開翅してくれるという感じ。 快晴の空が映っているような美しいブルーです。
あまり開翅が撮れていなかった♀もあっさり撮影。
しかしここからが思ったよりも大変でした。
そう、問題の白化は翅裏なんです。
翅表を撮りたかった時にはなかなか開かず、翅裏を見たい時には閉じず。
マーフィーの法則(古いか)。
ただでさえ低い所に止まる蝶なのに、ほぼ全個体が開翅するのですから、こちらは朝露に濡れた下草に顔を突っ込んで、見上げないといけません。
しかも逆光になって分かりにくいし・・
さらに、「コイツ、怪しいな」と思って目で追っていると別個体が絡んできて、どっちだったか分からなくなるし・・
完全にこのチビッ子たちに遊ばれ状態。
堤防を自転車で走る通学の高校生たちの、「何してんだろこの人?」みたいな視線を気にしてる場合ではありません。
とにかくシルビアが飛んでいる範囲を歩きまわり、何とか20頭近くチェック。
しかし白化個体は見つからず、別の場所へ移動することにしました。
しばらく車を走らせ、2カ所目。
朝露は乾いてきましたが、シルビアは飛び続けてあまり止まりません。
それでも6、7頭目撃したうち3頭確認。
いずれもノーマル個体。
3か所目は2頭のみ目撃で1頭確認、ノーマル個体。
ここで昼になったのでパンを食べます。
小さいホットケーキみたいなやつを2個。
4か所目は対岸側へ渡った堤防。
シルビアは見られず、風が少し強くなってきました。
ヤバいです。
どの場所もある程度のミヤコグサはあるのですが、それに合わせてシルビアが見られるわけではなさそうです。
そこで考えた末、5か所目へは行かず、数が多かった最初の場所でひたすらチェックすることにしました。
最初の場所では朝よりも数が減ったように思いましたが、どうも風があって草が揺れるのと、蝶が風に流されるので目に入りにくくなっているようです。
ただ、朝と違って開翅しなくなっているため、止まってくれればチェックしやすい状態です。
「朝にチェックできてない個体がまだいるはず」と歩き回ります。
それにしても、風で花粉が飛んでくるのか、黄砂が飛んでいるのか、鼻水が止まりません。
車に戻って鼻をかむか、すすり続けるか迷いながらも車から遠ざかって行くと、怪しい個体を見つけました。
「これか!?」
翅全体が白化しているわけではありませんが、亜外縁の斑紋が消えて白っぽくなっており、部分的には白化した個体です。
時刻は13:22。
見つからないのでは、と不安がよぎり始めていただけに、とりあえずホッとしました。
鼻をかみに戻らず正解。
ちなみに、翅表は半開した時に一瞬だけ見えましたが、ノーマル個体と変わらないようでした。
こういうタイプはどれくらいの確率で現れるのか、その後30分以上チェックを続けましたが、2頭目が見つからなかったのでよく分かりません。
とりあえず、一日で30頭以上はチェックしたと思われます。
さて、夕方までチェックを続ける気力はなくなり、早くも14:00過ぎには帰路へ。
そういえば、蝶を撮りに四国へ渡るのは今回が5回目ですが、いつも夜明け前と日没後にしか明石海峡大橋を渡っていませんでした。
明るい時間に橋を見るのはこの日が初めてだったので、帰りに休憩がてらSAに立ち寄って一枚。
霞んでパッとしない春の明石海峡大橋と神戸の町でした。