2021 気まぐれアルバム

ダイジェスト版 A


  2021.6.26

 沖縄は緊急事態宣言が延長されていますね。
コウトウマダラが複数採れているとかいうような情報がない限り、不要不急の八重山行きは見送っています。

 というわけで、今は♂♀・翅表裏が撮れていない種類や亜種を主なターゲットとして活動しています。 今回も、前回のベニカラに続いて別の蝶の亜種を狙いに行ってきました。


フタスジチョウ(♂)  2021.6.17 新潟県魚沼市

 フタスジチョウ奥只見亜種。 特徴がよく現れたこの個体は、一筋消えていて二筋ではなくなっています。 北海道のフタスジなんかと比べると同じ種類とは思えませんな。
 ところでこの個体を見つけてから撮影するまで、けっこう時間がかかりました。 遠くへは飛んで行かない様子でしたが、なかなかじっと止まらなかったんですよね・・


フタスジチョウ(♀)  2021.6.17 新潟県魚沼市

 イワシモツケで吸蜜中の♀。
♂が吸蜜するわけでもなく、この花の周辺をパトロールしていたので、もしかして・・と思って調べるとこれが食樹でした。 シモツケやユキヤナギが食樹なのは知っていましたが、ここでも普通の赤いシモツケが食樹だろうと勝手にイメージしていました。 このイワシモツケはシモツケよりむしろユキヤナギの雰囲気に似ているような感じです。


フタスジチョウ(上♂・下♀)  2021.6.17 新潟県魚沼市

 吸蜜中の♀を誘う♂。
結果的に見られた数は思っていたよりも多い印象でした。 ただし、やや局所的です。 そして発生時期がちょうど合ってくれたのが幸いでした。

 帰りに立ち寄った道の駅でアイスを買って一休み。 成果を祝してビール、というわけにはいきませんのでね。 このアイスモナカ、コメ粒感はそれほどでもなかったけれど、分厚くて美味、帰る元気が出ました。

 それにしても遠かった・・探索時間を考えると、この辺りが車の日帰り遠征の限界かな。


  2021.7.7

 少し掲載が遅れましたが、先月、緊急事態宣言の解除後に北海道へ飛んできました。 実は発令される前にもヒメギフ狙いで訪れていて、今シーズン二度目になります。 移動時間を考えると活動できるのは実質二日間だったので、今回はターゲットをリンゴシジミとカラフトヒョウモンの2種に絞りました。


リンゴシジミ(左♂・右♀)  2021.6.22 北海道紋別郡

 本種は♂をまだ見たことがありませんでした。 以前♀を撮影した場所では、思っていたよりも発生が早かったようで今回もすでに♀の時期。 このカップルの♂以外にも樹上を飛び回っていたのは♂だと思うのですが、結局下には降りてくれずじまい。 スモモやエゾノウワミズザクラの木を探しながら、別の地域2ヵ所でも本種を確認したものの、これが今回撮れた唯一の♂でした。


リンゴシジミ(♀)  2021.6.22 北海道紋別郡

 下へ降りてくれたのは♀。 なんとか飛翔を捉え、翅表の撮影に成功。
6月前半に撮ったベニカラとは逆に、本種は♀の方が翅表の橙斑が広く現れるようです。


ミヤマカラスアゲハ(♂)  2021.6.23 北海道紋別郡

 飛翔中のミヤマカラスはよく目撃していたものの、北海道の♂が撮れたのはこれが初めて。 花にまとわりついているところを見つけ、撮ってみると美しいブルーが広がった個体でした。 地元ではこんなの見ないなぁ・・

 ところで、問題はカラフトヒョウモンです。
近年、見なくなったとか少なくなったとか良い話を聞きませんね。 私が撮ったのも過去2頭のみ。 大雪山周辺のよく記録にあがっていた林道での2009年の撮影が最後で、以降その林道を含めて本種の姿を見ていません。

 そこで、おそらくそういう有名な林道で見つけるのは難しいと思い、今回は作戦を変更。
新たな林道を探すのではなく、山間にある集落を巡るルートをあらかじめ地図上で決めておき、車で流しながら探索することにしました。 林道へ入らないのは、山際の開けた場所でも本種は見られるはずで、限られた時間に広範囲を探索するためです。

 そして、そう簡単に見つからないのでは・・という不安は杞憂、午前中に2ヵ所で本種を確認することができました。


カラフトヒョウモン(♂)  2021.6.23 北海道紋別郡

 エゾオオヤマハコベで吸蜜する♂。


カラフトヒョウモン(♀)  2021.6.24 北海道紋別郡

 こちらは翌日に撮った♀。 閉翅時の翅裏を狙って真横からもカメラを構えて待ちましたが撮れず。 その代わり水平に開翅した時に、腹部の形態から明らかに♀だと分かったので、捕獲確認しませんでした。

 それにしても、カラフトヒョウモンに関しては私程度の探索力で見つかるのですから、探せばまだまだ居るのでしょう。 ただし、今回確認した2ヵ所では2頭ずつのみで、たくさん居る様子ではありませんでした。 したがって、過去にたくさんいた場所では激減していても、昔から薄く?いるような有名産地でない場所では相変わらず飛んでいるのかもしれません。 半日ほど探索しただけで、いい加減なことは言えませんが。

 そして今回も帰りの空港でサッポロクラシック。 美味し。
さすがに天候の相性が悪い北海道遠征も、出発前日の夜に天気予報をチェックしてから急に行くと決めれば大丈夫ですな。 これも独身の成せる業でしょうか。
「はぁ?アンタ何言ってんの!」なんてパートナーに言われてみたいもんです。(笑


  2021.7.26

 写真は早朝4時30分頃、明るくなってきた空にくっきりと現れた稜線。 どの辺りを歩くことになるのか、とりあえずいい天気になりそうです。

 そして稜線まで登ってきました。 この地点で標高2700メートルくらい。 いい天気ですが風がとても強く、時々帽子を押さえながらさらに稜線を歩き、蝶がいそうな場所を探します。

 じっとしていると寒くなるので、良さそうな場所を行ったり来たり。 昼前になると風が弱くなることがあり、その時に辺りをひたすら見渡していると、蝶の飛ぶ姿が目に入りました。


タカネヒカゲ(♂)  2021.7.20 長野県南佐久郡

 八ヶ岳のタカネヒカゲです。 雲がかかり始めたころにようやく撮影に成功。


タカネヒカゲ(♂)  2021.7.20 長野県南佐久郡

 風があるためか少し飛んでは止まりますが、草や枝の間に潜ることが多く、蝶の姿全体を撮るチャンスは少なかったです。 また、高山帯の植物を守るため登山道のロープ内からしか撮れず、近づいての撮影はできませんでした。


タカネヒカゲ(♂)  2021.7.20 長野県南佐久郡

 上の写真は連写で飛翔を撮った中で一番まともに写っていたもの。 北アルプスの個体よりも翅表の色合いが暗い感じです。 また、翅表を捉えると性標で♂か♀かが分かります。


タカネヒカゲ  2021.7.20 長野県南佐久郡

 岩の上に静止。 この時のための翅の模様なのでしょう。 止まった地点をよく見ていないと見失います。

 過去に北アルプス2ヵ所で撮って以来、タカネヒカゲの撮影はまだ3度目で、本種の生態を忘れていたり知らない部分も多いです。 亜種間で微妙に行動が異なっているということもあるかもしれません。 今回、意外だったのは日が陰っても飛ぶということ。 ヒカゲチョウだから不思議ではないか・・ ♂の巴飛翔も日が陰っている中で行われていました。

 この日は夜通し運転した後、蝶の生息域まで休憩なしで上がれたので、体力的にはまだいけそうな感じ。 また観察に登ってみたいです。


過去の気まぐれアルバムへ

トップページへ