2021 気まぐれアルバム

ダイジェスト版 @


  2021.1.1

 明けましておめでとうございます。
今年もマイペースで更新していきます。

 この元日は完全に休日だったので、朝からお節をつまんでビール、昼もビール、3時のおやつにビールで、夜も美味しくビールが飲めるよう、夕方に堤防までお散歩してきました。

 その時にスマホで撮った、"初日の出"の代わりの"初日の入り"。
沈んだ先の方、八重山には今年もたくさん迷蝶が飛んできて欲しいものです。

 今回はそんな八重山で撮った蝶を一枚。


コウトウシロシタセセリ  2018.11.22 沖縄県八重山郡 (西表島)

 今年はウシ年ですから、過去に撮影した蝶の中から和名にウシが含まれるものを探してみました。 年々オヤジになりつつあるのか、ギャグも強引になってきた気が・・

 四廻り目の年男、今年も蝶を追いかけて駆け回ります。


  2021.4.3

 4月に入りました。
例年なら八重山の迷シジミが気になる時期ですが、今のところいい情報が入っておらず、今春は断念しようかなと思っています。
 その代わりと言ってはなんですが、今年はちょっとギフチョウを頑張ってみました。
そう、ターゲットは南越前の杣山型です。

 3月24日 晴
久々に文殊堂下から山頂まで往復。 要所には当然ながら採集者がおられました。 午後は麓をウロウロ探索。 出始めのためか個体数はあまり多くない感じで、斑紋チェック数は7頭。

 3月30日 晴、昼頃から曇り
山には登らず、周辺地域へ範囲を広げて、ギフが見られる既知の花場を探索。 訪花時はチェックしやすく、いい絵も撮れそうですが数が稼げず。 昼からは曇ったので、良さそうな場所がないか、新規の地域を探索。 斑紋チェック数はこの日も7頭。

 4月1日 晴
前回とは一転、数を稼ぐため花場はそこそこに、あらかじめ地図で目星を付けておいた杣山近辺の山に登り、ピークに集まる♂狙い。 ピークへは道らしい道がないものの、見通しがいいので登ってみると尾根は良さそうな雰囲気。


ギフチョウ(♂)  2021.4.1 福井県南条郡

 尾根の日の当たる空間へはギフがやってきて、フワフワと旋回してから倒木や灌木へ静止します。 そして別個体がやって来ると追飛。
 しばらく尾根を行き来しながら、明るい空間で静止するギフをチェックしているうち、やがて膝の高さほどの灌木の枝に一頭が静止。


ギフチョウ(♂)  2021.4.1 福井県南条郡

 杣山型!?という個体についに出会いました!
完璧な斑紋ではないような気もしますが、杣山型の範疇に入れてもいいですよね・・。
 この後すぐ、この個体は飛来した別個体と争いながら木々の向こうへ飛び去り、やがてこの空間には別個体が居座ってしまいました。 それでも再飛来を待って粘りましたが、昼頃になるとギフは全く静止しなくなり、チェックできるような状態ではなくなりました。

 初めて杣山で杣山型ギフチョウを狙ってから18年。 目視とカメラレンズを使っての斑紋チェックは効率が悪いかもしれませんが、続けてきた甲斐がありました。 近隣地域でのチェックも含めると、おそらくチェックしたのは18年でせいぜい200〜250頭程度なので、早く出会えた方なのかもしれません。

 ちなみに撮影した日はエイプリルフールでしたが、実話です。


  2021.4.25

 今春は季節の進みが早いので、蝶の出現時期を読むのがなかなか難しいです。 特にターゲットが遠方の場合は、ハズすのがちょっと怖いんですよね・・。
 でもビビッてたら行けないので、行ってきました。

 写真は杖突峠から見た八ヶ岳。 当初は九州でチャレンジしようかなとも思ったのですが、コロナの事もあるので、自宅から現地まで車で日帰りできる地域を選びました。


ヒメシロチョウ(♂) 2021.4.21 長野県諏訪郡

 ターゲットは、まともに撮っていなかったヒメシロ春型。 以前に撮った日付よりも10日くらい早い時期がいいかな?との予想がだいたい当たっていたようです。


ヒメシロチョウ(♀) 2021.4.21 長野県諏訪郡

 出ていても♀はまだかもと不安はありましたが、新鮮個体が見られました。 逆光からも翅を透かして撮りたかったけれど、飛ばれて残念。


ヒメシロチョウ(左♀・右♂) 2021.4.21 長野県諏訪郡

 ♂と♀を比べると翅形が微妙に違うものの、夏型と違って春型の斑紋に大差はない感じ。 ただ、本種に限らず、蝶を観察していると、別個体と出会った時の行動で♂か♀か分かる場合が多いです。

 観察で♂♀判別できるよう、♂には♂らしく、♀には♀らしく行動して欲しいですな。
今のご時世、アカン発言かな(笑


  2021.6.13

 6月も半ばに差しかかりました。
この時期になってもまだ一度も八重山方面へ飛ばず、予定も立てていないというのは、近年ではありえない状態です。 仕方ないので最近は、滅多にないこの状況を逆手にとって、今まで狙ったことのないベニモンカラスシジミの亜種を探索していました。 すでに中国地方亜種は撮影していますが、他の地域のベニカラを見たことがなく、挑戦してみようというわけです。

 まぁ、見つけにくい蝶なのは過去の経験から分かっています。 しかし以前と同じように、記録のある地域の崖マークを事前に何ヵ所かチェックしておき、一ヵ所ずつ地道に当たっていくしかありません。 実際に崖の上から撮影できることはほとんどありませんが、そういう崖を擁する峡谷の斜面なんかにベニカラは生息しています。


ホシミスジ(♂)  2021.5.25 奈良県吉野郡

 昨年、北上山地の断崖を飛び交うホシミスジを見ていたことから、ベニカラを探索していれば見られるかなと思っていました。 ホシミスジの紀伊半島亜種は初めての撮影です。 3頭見ましたが、いずれも高い位置を飛んでおり、これが一応ベストショット。 3頭のうち一頭は白斑の減退した特徴がよく現れていましたが撮れず。 そして、この日はベニカラの方は見つからずじまいでした。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.5.28 奈良県吉野郡

 3日後、再び探索を続けていると、午後になってからベニカラ♀が急斜面から降りてきました。 翅が傷んでいるのが残念ですが、初めて見る紀伊半島亜種です。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.5.28 奈良県吉野郡

 葉陰から飛び立った瞬間、なんとか紅色の紋をゲット。 最近は、飛び立つ瞬間を狙うのに便利な機能の付いたカメラもあるようですが、まだ連写or動画切り出しで頑張っています(笑
 この後もう一頭撮影しましたが、そちらは翅の状態は良かったものの、距離があったうえ頭部が隠れた写真になってしまい、ボツ。

 さて、亜種を狙いだすとやっぱり全て揃えたくなるんですよね〜。 ジグソーパズルを途中でやめられないのと一緒です。

 というわけで、続いてベニカラ中部地方亜種を狙いに行くことにしました。

 とりあえず記録のある地域の崖マークをチェック。 実際に訪れた現地は崖の多い渓谷が続いていて、至る所にベニカラが潜んでいるように思えたのですが・・
目立たない蝶ですから、一ヵ所でじっと目をこらさないと見えてきませんね。 初めての地域であちこち回り過ぎたためか、結局ベニカラの姿を見ないまま終了です。 さらに食樹も分からなかったうえにヒルに血を提供している始末。 一筋縄ではいかない蝶です。 もちろん再訪ですな。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.8 長野県飯田市

 5日後、今度は食樹探しで♀狙い。 前回うっかりしていたのは、ここでの食樹コバノクロウメモドキをちゃんと調べていなかったこと。 コバノは”小葉の”で、広島で探索したキビノクロウメモドキよりもはるかに小さい葉だったんですね。 這い上がってくるヒルを指ではじき、ヘビに気を使いながら食樹探しです。 そして日陰に生えている食樹をいくつか見つけると、そのうちの一本で♀がちょこんと止まって待っていてくれました。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.8 長野県飯田市

 飛翔を撮ると、紅紋がほとんど消失していました。 ♀は♂よりも紅紋が小さいですから、なかにはこういう個体もいるのでしょう。

 それにしても、♂がなかなか目に入りません。 もちろんどこかで活動しているとは思いますが、時期が少し遅かったのでしょうか。 しかしまぁ、とりあえず奈良も長野も生息場所が分かったのは、今後のための収穫になりました。

 そして長くなりますが、次です。 四国です。
小分けで掲載するのも面倒なので、もう載せてしまいます。

 同じような写真になりましたが、ベニカラの生息地を巡ると、こういう峡谷の景色がつきものになります。 崖の左右の薄暗い林床には、食樹がありそうな雰囲気です。 しかし、こんな斜面、とても登る気にはなれませんな・・
 さて、今までベニカラ狙いで訪れた生息地のうち、ここは自宅から最も時間のかかる地域。 朝2時に起きて高速と一般道でやってきました。 今までの経験からベニカラの居そうな場所を予測して、一発でバシッと撮影したいところです。


ホシミスジ(♂)  2021.6.10 高知県香美市

 ここでも崖のある林道でホシミスジが飛んでいました。 この個体、なかなかの白斑の減退具合です。 険しい峡谷にピッタリのガケミスジといったところでしょうか。
 そういえば詳しく知りませんが、本種はたくさんの亜種に分けられるとか聞きましたが、これは自宅周辺の個体とは明らかに違い、別亜種なんでしょうかね。 奈良の崖で見た特徴的な個体も、上のスジまでは細くなっていなかったような・・

 そしてベニカラが居そうな崖斜面の下で足を止めると、実にアッサリ♀が ”おはよう”と出迎えてくれました。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.10 高知県香美市

 四国亜種の♀。 2日前に見た中部地方亜種よりも、前翅の白線がやや内側に寄っているものの・・違いは微妙ですな。 とりあえず、高知県を訪れるのはこの日が人生初だったのですが、とってもいいところです。(笑


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.10 高知県香美市

 葉上を歩き、葉から葉へ飛び移っていたので飛び立つ瞬間を撮影。 朝日を受けた紅紋が鮮やかです。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.10 高知県香美市

 そしてこの個体、さらに下へと降りていきます。


ベニモンカラスシジミ(♀)  2021.6.10 高知県香美市

 どうも崖下の水場を目指していたようです。 ここのところ気温の高い日が続いていましたから、水分補給したかったのでしょうか。 あるいはミネラル補給かもしれませんね。 初めて見るベニカラの吸水シーンです。

 ところで、追加個体が撮れないまま昼が過ぎた頃、山中で車がパンク。 マイカーの軽自動車も私のハードスケジュールに愛想をつかしたのでしょうか。 レッカー先は自宅からさらに遠ざかること一時間余で高知市内へ。 タイヤ交換後、高速料金を浮かすため再び一般道を引き返し、徳島を経由してなんとかその日のうちに自宅に帰還。

 来年はもう少し早い時期にそれぞれの場所へ♂狙いで訪れたいとは思うのですが・・ できれば来年の今頃は、平和に南の島で迷蝶を探したいような気もします。


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